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浄土宗の教え  
 
 
 
  鈴(れい)   鉦(しょう) 撞木(しゅもく)
  1 浄土宗の「詠唱(えいしょう)」について

 
「詠唱」とは浄土宗独特の言葉で、正しくは「吉水流詠唱(よしみずりゅうえいしょう)といいます。その中には御詠歌、御和讃、舞が含まれています。御詠歌というと他の宗派でも盛んに唱えられているところもありますが、そういった昔からの御詠歌を想像される方もいらっしゃるかと思いますが、浄土宗の詠唱とは大きな違いがあります。
 浄土宗の御詠歌は、その多くが法然上人御作(和歌)で、三十一文字を五線譜の上に表現されたものです。五線譜に表現され御詠歌となったことにより、法然上人の阿弥陀仏への信仰の心により近づくことができるのです。
 御和讃は、浄土宗の年中行事、たとえば法然上人御忌法要や施餓鬼会法要などの行事の意味を明らかにするために作詞されたものや、昔から伝えられている念仏への導きなどの歌です。
 舞は、歌の心を動作として表現したものです。



2 詠唱の心

 詠唱は音楽といえるでしょう。しかし、「歌う」ということと、「唱える(となえる)」ということには大きな違いがあります。詠唱は「歌う」のではありません。み仏を「拝む心」を中心にして「お唱え」するのであり、決してうまく歌えることを自慢すべきものではありません。



3 詠唱の実際

 浄土宗の詠唱では、使用する法具として、鈴(れい)、鉦(しょう)、撞木(しゅもく)があります。お唱えの作法としては、正座をして、左手に鈴を持って振り、右手に撞木を持って鉦を打ちながら声を出してお唱えするわけです。手の動作と発声を同時に行うわけで、最初は思うようにならないかもしれませんが、まずはお唱えだけ、次ぎは拍子、そして手の動作と順番に練習していきますとしだいに慣れてきます。また、五線譜がありますが、特に詳しく音符が読めなくても構いません。前にも述べましたが、上手下手を競うわけではなく、法然上人そして浄土宗の教えを通じて、自分自身の信仰心を深め、そのことによって、心の平穏、日々の生活の向上につながることが目的なのです。まずは基本的な御詠歌が一曲お唱えできるようになれば、後はその応用でありますし、うまくお唱えできたときの喜びはひとしおです。



4 長松寺詠唱の会

 当山では、平成十九年に「長松寺詠唱の会」を発足させ、檀信徒の方を対象に毎月1回練習会を開いています。詠唱の会には女性だけでなく男性も、また、ご夫婦で参加されている方もいらっしゃいます。そして練習の成果として、当山の御忌・開山忌法要や施餓鬼会法要などで披露するとともに、僧侶、檀信徒一緒にお唱えをしております。
 より多くの方と語り合い、詠唱を通して法然上人の御心に触れていただきたく、詠唱の会への参加者を募集中です。練習会は無料ですのでお気軽にご参加下さい。





〒355−0047 埼玉県東松山市高坂1184

浄土宗 寂照山 長松寺

電話番号 0493−34−4269

    

     吉水講信条

   私たちはこの詠唱を通じ

一、篤く三宝を敬い、仏祖の恩徳に報います。

一、元祖法然上人の教えを体し、この道の興隆に励みます。

一、互いに助けあい、念仏をよろこびます。

一、自らのつとめにいそしみ、家庭の平和を念じます。

一、広く同信を募り、社会の浄化につとめます。